はじめてのデザイン思考ワークショップ

はじめてのデザイン思考ワークショップ アイデア収束フェーズを成功させる方法

Tags: デザイン思考, ワークショップ, アイデア収束, ファシリテーション, 実践ノウハウ, アイデア創出

デザイン思考ワークショップにおいて、アイデア発想(Ideation)フェーズは非常に重要です。参加者から多様で斬新なアイデアを多数引き出すことは、問題解決の可能性を広げる上で不可欠です。しかし、それらのアイデアをそのまま次のステップに進めるわけにはいきません。ワークショップの目的や制約に基づき、実現可能性やインパクトを考慮してアイデアを絞り込む、「アイデア収束(Convergence)」フェーズが不可欠となります。

このアイデア収束は、参加者にとっては自分たちのアイデアが選ばれるかどうかの緊張感を伴い、ファシリテーターにとっては参加者の意見を尊重しつつ、建設的に合意形成を促す手腕が問われる難しい局面でもあります。特にデザイン思考ワークショップの経験が少ない方にとって、多数のアイデアを効果的に、そして円滑に絞り込む方法に迷うことは少なくありません。

この記事では、デザイン思考ワークショップにおけるアイデア収束フェーズの目的と、初心者の方でも実践しやすい具体的な収束手法をいくつかご紹介します。さらに、参加者の合意形成を促し、ポジティブな雰囲気でこのフェーズを乗り切るためのファシリテーションのポイントについても解説します。

アイデア収束フェーズの目的と重要性

アイデア収束フェーズの主な目的は以下の通りです。

このフェーズがうまくいかないと、せっかく良いアイデアが出ても埋もれてしまったり、参加者の不満やモチベーション低下を招いたりする可能性があります。効果的なアイデア収束は、ワークショップ全体の成功に直結すると言えます。

効果的なアイデア収束のための具体的な手法

アイデア収束には様々な手法がありますが、ここではワークショップの参加者規模や時間に応じて使い分けられる、代表的な手法をいくつかご紹介します。

1. ドット投票(Dot Voting)

2. アイデアクラスタリング(Idea Clustering)

3. コンセプトポスター/シート

4. インパクト・エフォートマトリクス(Impact-Effort Matrix)

ファシリテーションのポイント

アイデア収束フェーズを円滑に進めるためには、ファシリテーターの適切な介入が不可欠です。

オンラインワークショップでの収束手法

オンライン環境でも、これらの収束手法はツールを活用することで実施可能です。

オンラインでは物理的な場の共有が難しいため、特に画面共有を効果的に活用し、全員が同じ情報を見ながら議論できるようにファシリテートすることが重要です。

まとめ

デザイン思考ワークショップにおけるアイデア収束フェーズは、単にアイデアを減らすだけでなく、その後のプロトタイピングやテストフェーズを成功させるための重要な準備段階です。ドット投票、アイデアクラスタリング、コンセプトポスター、インパクト・エフォートマトリクスといった具体的な手法は、それぞれの目的に応じて使い分けることができます。

これらの手法を効果的に活用するためには、ファシリテーターが目的とルールを明確に伝え、参加者の意見を尊重しつつ、建設的な合意形成を促す手腕が求められます。オンライン環境でも、適切なツールとファシリテーションによって、円滑な収束を実現することは可能です。

ぜひ、これらの手法とポイントを参考に、皆さんのデザイン思考ワークショップで、参加者と共に価値あるアイデアを選び出し、次のステップへと繋げてください。実践を重ねることで、より自信を持ってこの重要なフェーズをファシリテートできるようになるでしょう。