はじめてのデザイン思考ワークショップ

はじめてのデザイン思考ワークショップ アナログワークの良さを活かす!デジタルツール導入・移行実践ガイド

Tags: デザイン思考, ワークショップ, デジタルツール, オンラインワークショップ, ファシリテーション

デザイン思考ワークショップの企画やファシリテーションに携わるフリーランスの皆様にとって、アナログでのワークショップは馴染み深いかもしれません。模造紙いっぱいのアイデア、ポストイットが壁一面に貼られた様子は、創造的なプロセスの象徴とも言えます。

しかし、時代の変化と共に、ワークショップの形態も多様化しています。オンラインでの開催が増加し、対面での開催でもデジタルツールを併用するハイブリッド形式が一般的になりつつあります。このような状況下で、アナログワークショップで培った経験を活かしつつ、デジタルツールを効果的に導入・移行する方法を知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アナログワークの良さを維持しながら、デザイン思考ワークショップにデジタルツールを導入・移行するための実践的なガイドを提供します。どのようなツールがあり、どのように選ぶか、そして導入・移行する際の具体的なステップと注意点について解説いたします。

デザイン思考ワークショップにおけるデジタルツールの役割

デザイン思考の各フェーズにおいて、デジタルツールは様々な形で貢献できます。

これらのプロセス全体を通じて、デジタルツールは情報の共有、編集、蓄積を容易にし、ワークショップの効率と成果物の再活用性を高める可能性を秘めています。

主なデジタルツールの種類と特徴

デザイン思考ワークショップで活用できるデジタルツールは多岐にわたります。代表的なものをいくつかご紹介します。

アナログワークをデジタル化する具体的な手法

アナログワークショップでよく使う手法をデジタルツール上でどのように再現・進化させるか、具体的な例を挙げます。

デジタルツール導入・移行のメリットとデメリット

デジタルツールの導入・移行には、それぞれメリットとデメリットが存在します。これらを理解した上で検討を進めることが重要です。

メリット:

デメリット:

アナログの良いところを活かす工夫

デジタルツールを導入するからといって、アナログの良い側面を全て捨てる必要はありません。アナログならではの価値を理解し、必要に応じて組み合わせたり、デジタルで補完したりすることが大切です。

デジタルツール導入・移行の実践ステップ

デジタルツールをワークショップに導入・移行する際は、以下のステップを参考に計画を進めることをお勧めします。

  1. 目的とニーズの明確化:

    • なぜデジタルツールを導入したいのか?(例: オンライン対応、効率化、成果物活用)
    • どのようなワークショップで利用するか?(例: オンライン研修、対面でのブレスト補助)
    • 参加者のITリテラシーレベルはどの程度か?
    • 予算やセキュリティ要件は?
  2. ツールの調査と選定:

    • 目的とニーズに合ったツールをいくつか候補に挙げる。
    • 無料トライアルなどを活用し、実際に使ってみる。
    • 操作性、機能、コスト、他のツールとの連携などを比較検討する。
    • 参加者にとって使いやすいかという視点も重要です。
  3. スモールスタートとテスト実施:

    • いきなり本番で全てのツールを使うのではなく、まずは小規模なワークショップや、特定のフェーズでのみ導入してみる。
    • 身近な同僚や友人に協力してもらい、ツールの操作テストやワークフローのリハーサルを行う。
    • 参加者になりきって操作してみることで、潜在的な課題が見えてきます。
  4. 参加者への事前案内とサポート体制構築:

    • ワークショップで使用するツール、その目的、基本的な操作方法を事前に参加者に案内する。
    • 必要であれば、簡単な操作マニュアルを配布したり、事前の接続テスト・操作説明会を実施したりする。
    • ワークショップ当日、ツールの操作に関する質問に対応できるサポート体制を準備しておく。
  5. ファシリテーションの調整:

    • デジタルツール使用時は、画面共有の方法、指示の出し方、参加者の発言を促すタイミングなどを調整する必要があります。
    • 参加者の画面上での動きを注意深く観察し、困っている人がいないか配慮する。
    • チャット機能の活用ルールなども事前に決めておくとスムーズです。
  6. 実施後の振り返り:

    • ワークショップ終了後、ツール活用が効果的だったか、課題はなかったかを振り返る。
    • 参加者からのフィードバックを収集し、次回の改善につなげる。

まとめ

デザイン思考ワークショップへのデジタルツールの導入・移行は、現代のワークショップのあり方に対応するために非常に有効な手段です。オンラインでの実施を可能にするだけでなく、対面やハイブリッド形式においても、情報の共有、整理、成果物活用を効率化し、ワークショップの質を高める可能性を秘めています。

ツール選びから導入、ファシリテーションの調整に至るまで、検討すべき点はいくつかありますが、まずは目的を明確にし、スモールスタートで試してみることをお勧めします。アナログワークの良さを活かしつつ、デジタルのメリットを上手に取り入れることで、より多くの参加者に価値を提供できるワークショップを実現できるでしょう。一歩ずつ、デジタルツールをあなたのワークショップ設計に取り入れてみてください。